CRMコンサルティング | 株式会社スマートウィル

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Column
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Beyond CRM ― 第5回:CRMのPDCAは、まず“C”から始めよ― 関係性の手応えを、“観察”し、“問い直す”ことから ―

スマートウィル代表坂本によるコラムシリーズ第一弾の第5回をお届けします。

PDCAサイクル。
企業活動や業務改善の基本フレームとして、あらゆる場面で語られるこのサイクル。
CRMの世界でも「Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Action(改善)」の流れは有効ですが、
実は最初に重視すべきは“C(Check)”だと、私たちは考えます。
なぜなら、CRMの本質は「管理」ではなく「関係性の観察」だからです。


PDCAより、CPDCAで考える

CRMが担うのは、顧客との関係性の“設計”と“育成”。
それは、商品や店舗といった接点を通じて、少しずつ関係が深まっていくプロセスです。
そのためには、まず「現状の関係がどうなっているか」を、きちんと観察(Check)することが欠かせません。
私たちは、CRMにおいてはPDCAではなく、“C”を先頭に置いた「CPDCA」のほうが実態に近いと考えています。
Check → Plan → Do → Check → Action
(まず観察し、仮説を立て、施策を実行し、再び観察し、改善する)


データに現れる“違和感”を捉える

Smartwillが提唱する「クライアンテリングCRM」では、
データを単なる数字の集積ではなく、関係性の温度や変化を映し出す“シグナル”として捉えます。
重要なのは、そのわずかな変化に気づく力です。
私たち自身も、こうした“違和感を察知する視点”をCRMの中核に据えています。
実際、自社開発したCRMプラットフォーム「BoCRM」でも、
顧客ごとの反応変化や関係性の揺らぎを、単なる数値変動ではなく、
「関係の現在地の変化」として読み解けるよう設計しています。
たとえば、あるセグメントの反応率が1%下がったとき。
それを「誤差」として見過ごすのではなく、「関係が冷えかけている兆しかもしれない」と仮説を立てる――
その繊細な気づきが、次の一手の精度を高めていきます。


デジタルで“勘”を支援する

かつては、ベテラン販売員の「最近あのお客様、ちょっと距離を感じる」という肌感覚が、CRMの源泉でした。
その勘や直感は今も大切ですが、それを誰もが扱えるようにするのがデジタルの役割です。
BoCRMでは、顧客ごとの状態変化を指標化し、可視化し、誰もが共有・気づけるように設計されています。
つまり、「気づける人を増やす」仕組みです。
これこそが、クライアンテリングの思想におけるCRMの進化なのです。


“動かす前に、見極める”勇気を持つ

CRMを導入すると、ついすぐにアクションを打ちたくなります。
メールを送り、クーポンを配り、LINEを流す……。
しかし、真に効果を生むのは、「今は打たない」という判断ができるときです。
関係性の状態を読み取り、敢えて“待つ”。
このような判断こそが、CRM運用の成熟度を測る物差しなのかもしれません。


次回予告

第6回|施策の成果は、“行動変容”で見る
売上ではなく、「関係が動いたかどうか」を成果として測る視点とは?


【Smartwill’s 視点】

スマートウィルが提唱するのは、“ツール導入”や“接客スキルの属人化”ではなく、
関係構築力を全社で底上げする「クライアンテリングCRM」の実装です。

クライアンテリングCRMツール BoCRM

違和感に気づく力が、CRMを「動かす道具」から「関係を耕す道具」へと進化させます。
BoCRMでは、反応率や接触履歴などの定点観測データを通じて、「今この顧客との関係は健全か」をチームで共有できる仕組みを提供。
CRMは“打つ道具”ではなく、“見極める道具”として磨いていくべきだと私たちは考えています。