CRMコンサルティング | 株式会社スマートウィル

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Column
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2025/04/25
Beyond CRM ― 第1回:CRMは“会員制度”じゃない宣言―「名簿管理」から「関係構築」へ。今こそ、CRMの原点に立ち返る―

スマートウィル代表坂本によるコラムシリーズ第一弾の第1回をお届けします。

 

はじめに

「CRMって、会員制度のことですよね?」

これは私が講演やコンサルティングの現場で、いまだによく投げかけられる質問です。
CRMという言葉が登場してから久しいものの、その本質が正しく理解されていない場面に、私は何度も直面してきました。

確かに、CRMの出発点として会員制度は重要です。
お名前や連絡先をお預かりし、履歴や嗜好を把握できる状態をつくること。これはCRMの第一歩であることに違いはありません。
ですが――それだけでは**“関係”はまだ始まっていない**のです。


会員制度は「入口」にすぎない

多くの企業では、「CRM=会員登録=ポイント付与」といった構図がいまだに主流です。
けれど、アプリをダウンロードしても思い出してもらえなければ意味がない。
カードを発行しても、その場限りの“割引制度”に留まっていれば、顧客の心には何も残りません。

CRMとは、お客様一人ひとりとの関係性を、戦略的かつ継続的に育てていく営みです。
言い換えれば、「また来たい」「この人(ブランド)と関わり続けたい」と思ってもらえる関係性の設計です。

ポイントでもクーポンでもなく、“関係性”こそが資産になる――
それが、CRMの本質です。


CRMとは「顧客起点の設計思想」である

CRMを「単なるツール」や「マーケティング手法」として捉えていると、重要な本質を見落としてしまいます。
CRMとは、**顧客起点で組織やサービス、コミュニケーションを再構築していくための“設計思想”**です。

  • 誰に(Who)
  • どんな価値を(What)
  • どのタイミングで(When)
  • どのチャネルで(Where)
  • どう届けるか(How)

これらを、データに基づいて最適化しながら、「関係性の濃度」を深めていく設計が必要です。
この考え方は、商品戦略や広告戦略と切り離された、“新しい企業運営の軸”とも言えるでしょう。


似て非なる「会員制度」と「CRM」

会員制度 CRM
主目的 データ取得・販売促進 関係性の構築・信頼の設計
顧客分類 静的な属性情報(年齢・性別など) 動的な行動履歴・来店傾向・感情履歴など
成果指標 会員数・ポイント利用率 LTV・NPS・再来訪率(リピート率)・エンゲージメント濃度など

会員制度ではなく「関係性資産」へ

CRMとは、名簿管理でも、ポイント付与でもなく、
顧客との関係性を“資産化”するための経営戦略です。
「Beyond CRM」の時代、私たちは再び、この本質に立ち返る必要があるのではないでしょうか。


Smartwill’s視点

Smartwillが提唱するのは、“ツール導入”や“接客スキルの属人化”ではなく、
関係構築力を全社で底上げする「クライアンテリングCRM」の実装です。

クライアンテリングCRMツール BoCRM

「特定の人だけが顧客とうまくやれる」のではなく、
BoCRMの力で、誰でも一定の“クライアンター”として機能できる環境を構築する。
つまり、属人性を排し、“再現性ある信頼構築”を組織標準として確立する――それが私たちのCRM観です。

BoCRMでは、CRMを「会員情報の管理」ではなく、「顧客起点の関係性設計ツール」と位置づけています。
購買データ・来店履歴・嗜好傾向・接客記録などの“文脈あるデータ”を活用し、LTV最大化と信頼の可視化を実現します。

 

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