
スマートウィル代表坂本によるコラムシリーズ第一弾として全15回にわたりCRM戦略の現在と未来についてお届けしていきます。今回は、導入編ということで、第0回です。
はじめに
14年前、私は百貨店業界専門誌に『百貨店新CRM戦略』という連載を寄稿していました。
全11回にわたり、“顧客との関係性をどう築くか”を、当時としては先進的な視点で綴っていました。
あれから14年。そして、Smartwillは2025年、創業15周年という節目を迎えます。
この間、顧客の行動は変わり、テクノロジーは進化し、
CRMの現場も、経営の在り方も、大きく様変わりしました。
しかし――変わらないものもある。
それは、企業が持続的に選ばれるためには、
「誰と、どうつながっているか」という関係性の質が、
最も重要な資産になるという真実です。
本連載『Beyond CRM ― 顧客軸でビジネスを再設計する15の視点』は、
かつての連載原稿をベースに、
Smartwillがこの15年間で得た実践知と思想を織り込みながら、
“これからのCRM”を考え直すための15章として再構成したものです。
- 会員制度を超えた“関係性の設計”とは何か
- CRMを「仕組み」で終わらせない、組織変革の在り方とは
- 顧客を“育てる”とはどういうことか
- そして、デジタル時代の“信頼”とは何か
今回は、そんなテーマを少しだけ肩の力を抜いて、
コラム的に、でも確かに本質に触れる読み物としてお届けしていきます。
1話ずつ読んでいくうちに、
「CRMって、そんなふうに考えていいんだ」
「うちにも、こういう視点があれば変わるかもしれない」
そんな小さな“視点の再設計”が、あなたの中に芽吹けば幸いです。
キーワードは、Beyond CRM。
CRMは、単なるシステム導入でも、ポイント施策でもない。
それは、顧客との信頼を可視化し、組織全体で育てていく哲学と仕組みです。
Smartwill創業15年の節目にあたり、私たちは原点に立ち返りながら、
次の15年に向けて、CRMのその先を描いていきます。
どうぞお楽しみに。
※坂本は現在、東京都議会議員選挙への挑戦にあたり、政治活動においても「CRM構想(Citizen Relationship Management)」を提唱し、
『坂本まさしの政治をもっと身近に!』というブログを通じて、現場からの発信を行っています。
ビジネスと政治、異なる領域で共通する“つながりの本質”にご関心のある方は、ぜひご一読ください。
▶︎【政治活動ブログ】坂本まさしの政治をもっと身近に!
https://go2senkyo.com/seijika/196345/posts
連載内容(予定)
🔹第1部|CRMの本質を問い直す(思想と原点)
第1回 | CRMは“会員制度”じゃない宣言 | 「CRM=顧客との関係性」という原点回帰 |
第2回 | 「関係性マーケ」で終わらせないCRM | 共感から“行動変容”へつなぐCRM設計 |
第3回 | CRMは経営のOSである | 組織と経営に浸透させるCRMの本質 |
第4回 | ソーシャルCRMの現在地 | X/TikTok/LINE時代の接点と関係性 |
第5回 | 顧客の“声”を聞き流さない組織へ | VOC・レビュー・SNSを活かす構造設計 |
🔹第2部|顧客理解とリレーション構築(戦略と実務)
第6回 | 優良顧客は“つくるもの”である | RFM/育成設計/クライアンター的アプローチ |
第7回 | 接点は“配置”ではなく“設計”せよ | 顧客行動に基づくOMO・CXデザイン |
第8回 | 顧客を“識別”するという発想 | ID統合、CDP構築、CRMデータ基盤論 |
第9回 | LTVで描く“未来の顧客価値” | 生涯価値に基づく戦略設計と可視化指標 |
第10回 | 反応しない顧客に、どう届けるか | 休眠/離反対策における人とデータの融合 |
🔹第3部|CRMの担い手と未来像(実装と進化)
第11回 | LINEは“CRMの現場”である | セグメント配信/リッチメニュー/MA連携 |
第12回 | クライアンテリング ― CRMの最前線は“人”に宿る | Smartwill独自のCRM哲学:人がつなぐ、関係性の戦略化 |
第13回 | スタッフが“ブランド”になる時代 | 接客の価値転換とクライアンター育成視点 |
第14回 | CRMが失敗する組織の特徴 | 担当者依存、目的不在、部門連携不全の罠と処方箋 |