
スマートウィル代表坂本によるコラムシリーズ第一弾の第2回をお届けします。
「お客様との“関係性”が大事だ」と語る企業は多い。
その多くが、関係性=好感度、エンゲージメント、ロイヤルティといった“気持ち”に寄せた言葉を使う。
もちろん、「好き」と思っていただけるのは重要だ。
しかし、CRMは“好かれる”ためのものではない。
最終的に必要なのは、「行動につながる関係性」である。
- もう一度来てもらう
- もう一品買ってもらう
- 次回の提案に耳を傾けてもらう
顧客が動いてくれて、初めてCRMは成果につながる。
これが、“関係性マーケ”と“CRM”の決定的な違いである。
関係性マーケとCRMの違いとは?
項目 | 関係性マーケティング | CRM(Smartwill的定義) |
目的 | 好感・愛着の獲得 | 行動の促進・信頼の構築 |
アプローチ | 情報発信・感情訴求中心 | データ分析・行動設計中心 |
指標 | エンゲージメント、いいね数など | LTV、再来訪率、購入頻度など |
関係性マーケティングは「好きになってもらう」ことがゴールになりやすい。
一方、CRMは“行動にどうつなげるか”という設計思想であり、より実務的・構造的である。
CRMが“行動誘導”である理由
CRMは、顧客の状態や過去の行動を踏まえて、
- 「今、この人に」
- 「こういうメッセージを」
- 「このタイミングで届ける」
という“個客ごとのナッジ設計”を可能にするものである。
これにより、「また来たくなる」「つい見てしまう」「今度こそ申し込もう」
といった自然な行動変容を起こす設計が可能になる。
つまりCRMは、「好きになってもらう」ことに留まらず、「選ばれ続ける」仕組みを構築する思想なのだ。
クライアンテリングCRMにおける行動誘導
クライアンテリングCRMとは、
属人的な接客スキルではなく、誰もが“顧客との対話と行動を生む設計”にアクセスできるCRMの在り方です。
BoCRMを活用することで、
- 「この顧客は最近来ていない」
- 「反応はあるが来店にはつながっていない」
- 「購入傾向からこの提案が有効」
といった洞察が誰の目にも見える形で提示されます。
それにより、スタッフの誰もが“クライアンター”として機能できる。
属人性を超えた“関係構築力の標準化”が、ここにあります。
「好き」ではなく「選ばれる」状態をつくる
感情に寄り添うことは大切ですが、選ばれ続けるには、仕組みと再現性が必要です。
クライアンテリングCRMは、共感を行動に変え、行動を信頼へと昇華させる構造そのものなのです。
次回予告
第3回|CRMは経営のOSである
顧客との関係構築は、もはやマーケティング部門の専任事項ではない。CRMは組織を動かす経営基盤となりうるか?
【Smartwill’s視点】
Smartwillが提唱するのは、“ツール導入”や“接客スキルの属人化”ではなく、
関係構築力を全社で底上げする「クライアンテリングCRM」の実装です。
クライアンテリングCRMツール BoCRM
「特定の人だけが顧客とうまくやれる」のではなく、
BoCRMの力で、誰でも一定の“クライアンター”として機能できる環境を構築する。
つまり、属人性を排し、“再現性ある信頼構築”を組織標準として確立する――それが私たちのCRM観です。
BoCRMは、顧客行動の文脈を可視化し、
「どの顧客に、どんなメッセージが、どんなタイミングで届いたか」の履歴と成果を紐付けて蓄積する。
“好かれる”の先にある、“動いてもらえる関係性”を、企業の資産に変えるのがSmartwillのCRM設計思想です。